5月17日、九条の会呼びかけ人会議と、記者会見が開かれました

 5月17日(金)午後、九条の会は都内で呼びかけ人会議を開きました。出席は呼びかけ人の大江健三郎さん、奥平康弘さん、澤地久枝さんで、鶴見俊輔さんは文書参加でした。事務局メンバーも同席しました。
 会議では、小森陽一事務局長から最近の九条の会の活動と、全国各地の九条の会の動き、とりわけこのところの改憲勢力の動きの活発化に危機感を持つ人びとが、96条問題と9条問題を結びつけながら県レベルで大量宣伝に取り組んでいることなど九条の会の活動を活発化させたり、新たに地域に九条の会を結成するなど、重要な変化が生じていることの報告がありました。
 呼びかけ人会議は、安倍晋三首相らが主導する96条改憲など、参議院選挙を前にした憲法9条をめぐる情勢などについて意見交換しました。そして、今後の九条の会の活動では、全国の会の皆さんの活動の一層の活発化を期待しながら、講演会活動の強化や、ソーシャルメディアの活用なども含め、情勢に対応するより積極的な活動に取り組むことを確認しました。会議は記者会見で発表する九条の会からの訴え「九条の会のみなさんへ」を採択しました。
その後、記者会見が行われました。会場には報道関係者がたくさん詰めかけました。以下に、各社による報道の一部を紹介します。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013051701002099.html
(東京)大江健三郎さんらがアピール文 「9条否定の改憲許さない」
2013年5月17日 20時14分
憲法9条を守ろうと2004年に結成された「九条の会」呼び掛け人の作家大江健三郎さんらが17日、東京都内で記者会見し「会の発足から最も重大な局面を迎えている。9条の精神を根本から否定する改憲は絶対に許さない」とのアピール文を発表した。
大江さんは会見で「アジアの中でお互いに尊重しながら生きていこうというのが憲法の原理。その憲法を日本人の誇りとして次の世代に伝えていかなければならない」と強調。改憲の発議要件の緩和を目指す96条の先行改正論についても「間違っている」と批判した。(共同)

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130517/k10014661681000.html
(NHK)9条の会 憲法96条改正反対
5月17日 20時25分

憲法9条を守ろうと呼びかけている作家や憲法学者らの団体が、17日記者会見を行い、憲法改正を発議する要件などを定めた96条の改正について、「立憲主義を破壊するものだ」として、地域などの草の根から改正に反対していこうと訴えました。
記者会見を行ったのは、憲法9条を守ろうと呼びかけている「9条の会」のメンバーの、作家の大江健三郎さんや憲法学者の奥平康弘さんら合わせて4人です。
記者会見の中で「9条の会」のメンバーは、国会が憲法改正を発議する要件などを定めた96条の改正について、「憲法改正の要件を緩和すれば、その時々の多数派の都合で憲法を変えられる状況を作り出し、権力を制限するという考え方の立憲主義を破壊することになる」と述べました。
そのうえで、地域や職場など草の根から96条の改正に反対していこうと訴えました。
記者会見に出席した作家の大江健三郎さんは「日本の憲法が改正されれば、アジアをはじめとした諸外国からの信頼が崩れてしまう。60年以上の重みをもつ今の憲法の意義について各地で若い人に伝え、育てていくべきだ」と話しています。

http://www.asahi.com/national/update/0517/TKY201305170342.html?ref=dwango
(朝日)「96条を突破口に9条改憲、許せない」大江さんら訴え

 【石橋英昭】改憲の動きが強まる中、「九条の会」の呼びかけ人のうち、作家の大江健三郎さん(78)、澤地久枝さん(82)、憲法学者の奥平康弘さん(83)が17日、都内で記者会見を開いた。「安倍首相のねらいは96条を突破口にした9条改憲。自民党改正草案では『戦争をする国』の体制づくりをすすめようとしている。絶対に許せない」とのアピール文で、危機感を訴えた。
九条の会は、2004年に呼びかけ人9人で発足。うち4人は既に亡くなっている。大江さんは「加藤周一さんは周囲の人のほとんどがこの憲法を守ろうというのに、選挙になるとなぜ、そうじゃない政党が勝つのかと、よく話されていた。井上ひさしさんは、国家が暴走しないよう縛るのが憲法なんだと言い続けた」と故人の思い出を紹介。「2人が考えたより、危機は深まっている。私たちがそこで60年以上生きてきた現在の憲法は、次の世代に伝えうるものとしてある」と語った。
ほかの呼びかけ人は梅原猛さん、鶴見俊輔さん。小田実さん、三木睦子さんは亡くなっている。会の呼びかけに呼応し、全国で自発的に組織された9条の会は7500を超えている。


九条の会からの訴え「九条の会のみなさんへ」

 2004年6月、私たちは「九条の会」を発足させ、「日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力をいますぐはじめること」をよびかけました。これに応え、全国各地、各分野に7000を超える「九条の会」が結成され、それぞれが創意あふれる運動を展開してきました。私たちはみなさんのこの間のご努力に心から感謝し、敬意を表します。しかし私たちは今、その努力を飛躍的に強めることが求められる重大な局面を迎えています。
 安倍内閣・自民党は小選挙区制という極端に民意をゆがめる選挙制度の力で得た虚構の多数を背景に、改憲に向けて暴走しはじめました。安倍首相はその入り口として憲法96条をとりあげ、現在衆参それぞれの3分の2の賛成とされている憲法改正の発議要件を過半数に緩和するとしています。これが、時々の多数派のつごうで憲法を変えられる状況をつくりだし、立憲主義を破壊するものとなることは明らかです。
 しかも安倍首相の真のねらいは、96条改憲を突破口に、9条改憲につきすすむことにあります。
 すでに自民党は「日本国憲法改正草案」を作成し、第9条については、自衛隊を国防軍として個別的・集団的自衛権の行使やアメリカの組織する多国籍軍への参加を可能にするよう改変しています。また、軍法会議の設置や軍事秘密保護法の制定、首相による非常事態宣言の発令など、「戦争をする国」をめざした体制づくりを全面的にすすめようとしています。
 同時に安倍首相は、憲法の明文改憲が実現する以前にも、憲法の解釈変更によって「憲法9条のもとでは許されない」とされてきた集団的自衛権の行使を可能とし、海外でアメリカと一体となった武力行使をおこなおうとしています。
 私たちは憲法9条の精神を根本から否定する明文・解釈両面からのこうした企てを絶対に許すことはできません。そのため、全国の「九条の会」のみなさんに、あらためてつぎのことをよびかけます。
◎全国の「九条の会」は明文・解釈両面からの改憲攻撃について学習と話し合いをおこない、その成果をふまえ職場・地域の草の根から改憲反対の世論をつくり、安倍内閣や改憲勢力を包囲しましょう。
◎「九条の会」の輪をもっともっと大きくし、ゆるぎない改憲反対の多数派を形成しましょう。
◎ブロックごと、都道府県ごとの交流集会を開き、お互いの経験に学びあい励ましあいましょう。その成果をもって「全国交流・討論集会」(11月16日、於・東京)に参加しましょう。

   2013年5月17日               
                                       「九条の会」よびかけ人一同


申し込みはおすみですか。6月8日開催の九条の会事務局学習会「第二次安倍政権の改憲に立ち向かう」は要予約です

昨年末成立した安倍政権は、憲法96条の改憲を手始めに、改憲の道を暴走しようとしています。第9条を持つ日本国憲法はいまかつてない重大な危機にさらされています。3月の学習会に続いて、以下の次第で事務局主催学習会を開催します。
どなたでも参加できる学習会ですが、前回が会場満員となりましたので、予約制にしました。メールかFAX03−3221−5076にお名前と電話番号をお知らせください。
いま憲法がどんな状況にあるのか、わたしたちにできることは何か――今後の活動の糧とするために、ぜひお誘い合わせてご参加ください。

講師:川口創さん(イラク派兵違憲訴訟弁護団事務局長)「イラク派兵違憲判決を今、どう活かすか」
講師:山内敏弘さん(一橋大学名誉教授)「憲法9条と96条改悪論」
日時:6月8日(土)13時30分〜16時30分(開場13時)
参加費:1000円
要予約:メールかFAXで、お一人ずつのお名前と電話番号を事務局へご連絡ください。定員になり次第、締め切りますので、お早目にどうぞ。
会場:在日本韓国YMCAアジア青少年センター地下ホール(JR水道橋駅下車徒歩13分)
主催:九条の会事務局


編集後記〜九条の会呼びかけ人会が発表した「九条の会のみなさんへ」を1日も早く全国の皆さんにお届けするため、メールマガジン号外を発行しました

安倍首相は、高まる「96条改憲はおかしい」との世論の中で動揺をかさねながらも、96条改憲から9条改憲への策動を続けています。力をあわせて、この改憲の企てをうち破りたいと思います。この九条の会からの「訴え」が全国の皆さんに届き、「会」の活動の活発化の大波が形成されるよう、心から願っております。(T)